フェイキックIOL

 フェイキックIOL(有水晶体眼内レンズ)とは、眼内レンズを挿入することで視力回復をさせる術式です。これは、白内障の手術を応用したもので、基本的には白内障手術の際に水晶体を交換する部分と仕組みは同じです。白内障手術では、水晶体を取り除きますが、フェイキックIOLでは水晶体を残したまま、視力を矯正するための眼内レンズを挿入します。これはしばしば、永久コンタクトレンズと呼ばれています。

レーシックとの違いは?

 レーシックは一般的にレーザーを使うことで角膜を切除して視力を回復させます。しかし、レーシックには対応出来る度数に限界があります。それは、視力が悪ければ悪いほど、角膜を切除することで視力を矯正しなければならないということです。最強度近視と呼ばれる-10Dを超える部類に入ってくると、角膜の厚みが足らず手術そのものを行えないケースがあります。これは、角膜をある一定以上の数値保たなければ弊害が出てしまうので、仕方がない問題でした。

 しかし、フェイキックIOLは、角膜の厚み、眼の悪さなど一切関係なしに手術することが出来ます。そのため、大変画期的な術式と呼ばれました。手術方法としては、眼に眼内レンズを挿入するのですが、挿入位置によって前房型と後房型と分けられています。

フェイキックIOL前房型 フェイキックIOL後房型
【フェイキックIOL前房型】 【フェイキックIOL後房方】

眼のより前面の部分である角膜と虹彩の間に入れる前房型と、眼の奥の部分である、虹彩と水晶体の間に入れる後房型にわかれています。

前房型と後房型のリスクの違い

 前房型と後房型では安全度が異なるので説明します。

 前房型の場合、レンズが角膜と虹彩の間にきます(上記イラスト参照)。そのため、角膜に近いために角膜障害になる危険性があります。しかし、逆に水晶体からは離れているために白内障の危険性は少ないと考えられています。

 一方で、後房型の場合は虹彩と水晶体の間にレンズを入れます(上記イラスト参照)。そのため、角膜から離れているので、角膜障害の心配がほとんどありません。しかし、水晶体に近いために白内障になる可能性があると考えられています。

 現在は、どちらの場合もレンズが発達しているために、これらの合併症を引き起こすことは少ないと考えられています。また、前房型は方目をしてから1-2週間しなければ、反対側の手術が出来ません。後房型は一日で両目が可能な手術なので、現在は後房型の術式が主流となってきます。

この手術はまだ発展途上?

 フェイキックIOLはレーシックに比べればまだまだ不確かな技術であることは間違いありません。

 特に危険なのは前房型の手術です。前房型の場合、角膜と虹彩の間にレンズを設置すると説明しました。前房に設置された場合、レンズのせいで眼の中の房水の循環が悪くなります(房水とは、前眼房と後眼房の間を満たす透明な液体のことです)。
 房水は、いつも一定の量が排出されていて、水晶体や角膜など眼の様々な部位に栄養を与えているものです。したがって、循環が悪くなる影響で房水が内皮細胞に届きにくくなるため、内皮細胞への影響が懸念されるのです。

 内皮細胞は大変重要な細胞で、少ないと様々な弊害が生まれます。内皮細胞はフェイキックIOLの手術中にもわずかながら減少します。一般的に内皮細胞は手術の最中に減少するが、その後は安定すると言われています。
 しかし、実は最近減少するケースが見受けられてきています。つまり、1年や2年の問題ではなく、数年以上経過した後に極端に減少するケースが生まれているのです。内皮細胞はいくら減っても二度と再生することはありませんので、十分注意しなくてはなりません。

 最強度近視の人ほど裸眼の世界にあこがれるもので、レーシック適用外だった人にとって、このフェイキックIOLは夢のような術式でしょう。もし受けることを考えているならば、なるべく症例数が多く、親身に相談にのってくれる医師をまず探すべきです。そこで診断を受けた後に、手術するかどうかを熟考してください。

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