手術前の適応検査のプロセス

 レーシック手術は極めて繊細な手術なので、機械に入力する数値を取るために詳細な検査を行います。そのため、待ち時間を含めると2時間‐4時間もかかります。
 ここでは、実際にどの様な検査をするのかを説明します。

 内容には、屈折力/角膜曲率半径測定検査、視力測定検査、眼圧測定検査、角膜形状測定検査、角膜内皮細胞計測検査、暗所瞳孔径測定、視野検査、散瞳薬点眼、散瞳後屈折力測定検査、波面収差測定検査、検査前眼部・中間透光体検査、角膜厚・眼軸長測定検査眼底検査等という項目があります。

 正直、このように文字を上げられても、全く意味がわかりませんよね。なので、一つ一つ説明していきます。ただ、しっかりと理解するには、無料適応検査に行ってみるのが一番早いと思います。

屈折力 / 角膜曲率半径測定検査

屈折力 / 角膜曲率半径測定検査

 この機械を使用することにより、近視・遠視・乱視の度合い、角膜のカーブを調べます。一般的にオートレフラクトメータという自動角膜曲率半径測定機を使用して、角膜カーブを調べます。これは、視力検査だけでは正確な視力が計測出来ないために行われます。

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視力測定検査

視力測定検査

 いわゆる一般的な視力検査です。手術における矯正量を決定するために、自覚的に視力を測定します。一般的にランドルト環というCの形をした物を一定距離から見て、視力を測定するものです。上の屈折力検査で測定した、機械での屈折力を基本として、自覚的視力検査を使用することで、矯正の度合いを自分でチェックすることが可能になります。1.0を希望する低矯正から、2.0を希望する完全矯正、それ以上を希望する過矯正まで自覚的にチェック出来るのが特徴的です。まず、この二つのデータを元に角膜切除量の大枠を決めていきます。角膜の切除量は近視・遠視・乱視の度合いをDで表したものの合計に14μmをかけた数値です。

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眼圧測定検査

眼圧測定検査

 ここでは、眼圧測定検査機(ノンコンタクトタイプトノメーター)を用いることで、眼圧以上による眼病がないかを調べます。これは眼に空気を当てて、眼圧を測定するものです。正常な数値は10-20mmHgと言われています。
 また、眼圧の圧力とは、角膜と強膜によって外側をつくられている眼球が、いつでも一定の圧力を保っていることを指しています。この圧力を保つためには、主として房水のつくられる量と排出される量が一定に保たれていなければならないのです。この経路に異常がなければ一定の張りが眼球に与えられる、これが眼圧の仕組みである。
 しかし、眼圧は常に一定ではなく、正常な眼圧は一日5mmHg以内の変動がある。なお、眼圧が異常に上昇した場合は緑内障、逆に異常に低下した場合を低眼圧といい、眼病としては非常に気をつけなければなりません。異常があった場合、レーシックは出来ません。

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角膜形状測定検査

膜形状測定検査

 角膜形状解析装置は、角膜トポグラフィーシステムと呼ばれています。その装置を使い、角膜の形状を正確に測定します。以前はビデオカメラで説明して解析するタイプが主流でしたが、今はレーザーを用いるタイプが主流になっています。これにより、角膜が突出している円錐角膜の発見が可能になり、角膜サイズ、形状など精度の高い評価が可能になり、手術の精度が劇的に増します。

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角膜内皮細胞計測検査

角膜内皮細胞計測検査

 角膜内皮細胞はスペキュラーマイクロスコープという装置を使って測定します。角膜は全部で5層から出来ていて、その一番深い部分にあるのが角膜内皮細胞です。この細胞は、角膜の透明性を維持するのに重要な役割を担っていて、減少すると角膜が混濁してくるのです。
 それだけでなく、この細胞はポンプ作用も持っているため、手術後にフラップの接着速度に関係してくるのです。しかし、角膜内皮細胞は一生を通じて数が増えることはない。しかも、長年にわたってコンタクトレンズを装用している人の場合、数が減っている可能性があります。また、エキシマレーザーは角膜の内部にはほとんど影響を与えないのですが、これらの理由により角膜内皮細胞が減少しすぎていると手術を受けられないことになるのです。

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暗所瞳孔径測定検査

暗所瞳孔径測定検査

 暗い部屋で、どれぐらい瞳孔が大きくなるかを測定して、レーザーの照射範囲を決定するのに役立てる検査です。人間の目は、明るい部屋と暗い部屋では瞳孔の大きさが変化します。これは、光をより多く集めるために、瞳孔が大きくなるからです。これは、大きすぎるとハロ・グレアが激しく出てしまうことがあるので注意しなければなりません。暗所瞳孔径とハロ・グレアとについての関係性についての詳細はこちらを読んでください。非常に重要です。

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視野検査

視野検査

 視野に障害があると考えられた場合に、視野の範囲を測定します。自動視野計という装置を使用し、静的視野を測定します。これによって、視野の全体像を把握します。

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散瞳薬点眼

 眼の中を診察しやすくするために、点眼をすることで瞳孔を強制的に開きます。この点眼をすることにより、しばらく光がまぶしく感じます。

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散瞳後屈折力測定検査

散瞳後屈折力測定検査

 散瞳薬点眼をし、瞳孔が強制的に開いているために、眼に入ってくる光から眼が調節できない状態での他覚的視力を測定します。他覚的視力とは、機械が自動的に調べてくれた数値のことです。この検査でも、角膜曲率半径測定検査で使用したオートレフラクトメータを再び使用します。

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波面収差測定検査

波面収差測定検査

 これは、ウェーブフロントやカスタムビューなどを受けるために必要で、光の収差を測定します。波面収差解析装置を使い、屈折異常を様々な角度から解析します。 つまり、従来の近視、遠視、乱視などの屈折異常だけでなく、複雑な高次収差を解析する方法です。
 収差には二種類あり、通常のレーシックで解消されるのが低次収差です。
 もうひとつが高次収差なのですが、これは微細なレベルの歪みを修正するので前述のものではなく、別の検査が必要になるのです。そのような高次収差測定を行うには、完全に平行な波面の光を目に当てます。そうすることで、最終的に角膜や水晶体など眼の中を通り、網膜の後ろの部分で屈折します。その光を測定するのです。眼の中を通った後に、どのように波面が変化したかといった繊細な情報から収差を解析します。こうすることで、より個々人に密着した治療を行うことが可能になります。
 高次収差が修正されると、見え方の質を向上させることが可能になります。これは、手術後のコントラスト感度の減少などのリスクを低減させる効果があります。

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角膜厚・眼軸長測定検査

角膜厚・眼軸長測定検査

 超音波角膜厚・眼軸長測定装置を使うことにより、角膜の厚みを測定し、角膜切開の深さを決定するのに役立てる。レーシックは角膜の厚さ次第といっても過言ではないぐらい角膜の厚さが大事です。角膜の厚みが足りない場合、手術を受けることが出来なくなるからです。そのため、大変重要です。

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前眼部・中間透光体検査

 医師によって行われます。主に、レーシック適応外の病気や、レーシックをするにあたり眼の病気がないかを確認します。これによって白内障などが発見された場合は、手術を受けることが出来ません。また、様々な原因により角膜上皮細胞に傷などが発見された場合は、点眼薬による治療の後にレーシックを受けることが可能になります。

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眼底検査

 医師によって行われます。屈折異常以外にも、網膜や網膜周辺部に病気がないかを調べます。特に、最強度近視の人の場合、網膜剥離の前兆にあたる病気が発見される可能性があるので注意しなければなりません。そのため、眼底を精密に検査する必要があるのです。方法としては、集光レンズや三面鏡・スリットランプなどを使用し、眼底の特定部分を一つずつ注意深く観察することで、各部位に異常がないことを確認します。

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レーシック適応検査のまとめ

 大体の検査は、この様な流れで行われます(順番は前後する可能性は大いにあります)。
 ここまで読んでおわかり頂けると思いますが、本当に数多くの検査を精密に行います。 視力がいくつかという根本的な部分から、そもそも手術が出来ない眼の状態ではないかという確認、重大な眼の疾患がないかどうかをチェックするなど、多岐に渡っています。
 中には、レーシックの手術検査に来たはずなのに、違う重大な疾患を指摘されることもあります。
 そして、これらの結果を元に、個々人に合った術式や、そもそも手術が出来るかどうかといった判断をするのです。
 カウンセリングが行われ、自分の状況と目の状態などと相談して、最も良い術式を選択すると良いでしょう。一般的にはイントラレーシック、眼が悪く角膜が足りない方や格闘技など激しいスポーツをする方はエピレーシックラゼック等を選択されるのが良いでしょう。

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