エキシマレーザーとウェーブフロント

 次に、エキシマレーザーとウェーブフロントについて説明します。フラップを作成した後は、次は角膜に対してエキシマレーザーを照射します。 レーシックの手術は、本来こちらが本番で、本HPにおいて比較しているのもエキシマレーザーのメーカーや機種による部分が多いです。

エキシマレーザーについて

 エキシマレーザーは、希ガスやハロゲンなどの混合ガスを用いてレーザー光を発生させる装置です。そのレーザー光を用いて、微細な組織を正確に削ることが出来ます。 また、エキシマレーザーは熱を発生させません。そのため、周囲への組織に対する影響が少ないのです。

WaveLight社製エキシマレーザー【コンチェルト】(最新機種) WaveLight社製エキシマレーザー【アレグレットウェーブアイキューブルーライン】(旧機種)
ドイツWaveLight社製エキシマレーザー
【コンチェルト】(最新機種)
ドイツWavelight社製エキシマレーザー
【アレグレットウェーブアイキュー ブルーライン】(旧機種)

 今までのレーザーの場合、高熱による細胞組織の破壊の心配がありましたが、エキシマレーザーはその心配がないと考えられます。更に、最新のエキシマレーザーの機材には、アイトラッキングという機能がついていることが多いです。これは、手術中に眼球が動いてしまった際に、自動追尾してくれる機能のことです。「手術中に眼を動かさないでください」といっても中々難しいので、重要です。

 また、エキシマレーザーは、1995年に世界でもっとも厳しい審査基準を持つアメリカの食品医薬品局 (Food and Drug Administration)が承認したことにより、一気に普及しました。現在行われているレーシックの術式のほとんどが、エキシマレーザーで行われています。レーシック、イントラレーシック、エピレーシック、ラゼックなどフラップの作り方は多種多様です。しかし、その後のレーザー照射の部分は全てエキシマレーザーを使用しているのです。ここから、エキシマレーザーの普及具合がわかって頂けるとおもいます。

カスタムビューについて

 次にカスタムビューについて説明します。これは、患者一人一人の状況に合わせてエキシマレーザーの当て方を変えていく方法です。まさにカスタムです。

 角膜には従来のレーシックでは修正しきれない歪み(ゆがみ)があります。これがあることにより、網膜における焦点に微細なずれが生じるため、完璧に焦点を集めきれないことがあります。

【ウェーブスキャン・ウェーブフロントシステム】
【ウェーブスキャン・ウェーブフロントシステム】

 カスタムビューでは、角膜の歪みをウェーブスキャン・ウェーブフロントシステム(WaveScan WaveFrontSystem)という装置で正確に検査することで、詳細なデータを取ります。そして、そのデータを元に手術を行うのです。そのため、一人一人に対するオーダーメイド的な意味合いが強く、従来のレーシックを進化させた形になります。

 もう少し細かく説明すると、歪みというのを専門用語でいうと高次収差といいます。収差には二種類あり、通常のレーシックで解消されるのが低次収差す。
 今回問題になっているのが高次収差なのですが、これは微細なレベルの歪みなので、修正するにはウェーブスキャンでの検査が必要になるのです。この専門装置を使えば、従来の約25倍もの精度で検査結果が得られることになります。

 しかし、本来視力矯正の大部分は低次収差というポイントに関わってくるので、ウェーブフロントをしたから25倍の結果が得られるかといえば間違いです。あくまで、網膜の焦点における微細なずれを修正するのがカスタムビューなので、コントラスト感度、夜間視力、ハロ・グレアなどの点で質の向上が得られるというのがポイントです。

 カスタムビューで注意していただきたいのが、角膜切除量が増えるか減るかという点です。これは、メーカーの機種によって左右されるのですが、カスタムビューをした場合の角膜切除量は、

・WaveLight社ALLEGRETTOは多くなる場合が多い
・VISX社VISX STAR S4は少なくなることが多い

というのが大まかなポイントです。つまりVISX社の機種で手術を受ける場合は、カスタムビュー(ウェーブフロント)をセットで行なうべきなのです。

【VISX社VISX STAR S4】
【VISX社VISX STAR S4】

 もっとも、VISX社の製品を導入しているクリニック(神戸クリニックなど)は、カスタムビューによる手術をベースにしています。

 一方でWaveLight社でのカスタムビューは角膜切除量が多くなるので、検査結果次第では気をつけなければなりません。元々強度近視の人の場合、カスタムビューを行なったことにより角膜切除量が増え、適応外になる可能性があるからです。
(WaveLigh社のカスタムビューについて一言加えておきますと、WAVEFRONT-GUIDEDというのが正式名称です。)

 しかし、WaveLight社の場合、スタンダード照射はWAVEFRONT-OPTIMIZEDという方式を取っていて、普通の照射とは違い特徴的です。WAVEFRONT-OPTIMIZEDは、完全なオーダーメイドではありませんが、統計データに基づいてあらかじめ決められたパターンを照射するものです。
 これは、術前検査によって、どのパターンが適応しているかを確かめて選択されます。そのため、他社製のスタンダード照射とカスタムビュー照射よりも差が少なくいと考えられます。
 簡単にいってしまえば、WaveLight社では、カスタムする必要はあまりないということです。

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